SaaSとは?身近な具体例でわかりやすく解説!メリット・デメリットも紹介

「最近、ニュースや職場で『SaaS(サース)』という言葉をよく聞くけど、実は何のことかよく分かっていない…」「なんだか難しそうだし、自分には関係ないかな?」
もしあなたがそう感じているなら、この記事はきっとお役に立てるはずです。SaaSとは、実は私たちのビジネスや日常生活に深く浸透している、とても便利なサービスのこと。決してIT専門家だけのものではありません。
この記事では、ITに詳しくない方でも直感的に理解できるよう、SaaSの基本的な意味から、具体的なサービス例、メリット・デメリットまで、専門用語をできるだけ使わずにわかりやすく解説します。読み終わる頃には、「なるほど、あれもSaaSだったのか!」とスッキリ理解できているはずです。
そもそもSaaSとは?初心者にもわかりやすく解説
まずは、「SaaSとは何か?」という基本から見ていきましょう。言葉の響きから難しく感じてしまうかもしれませんが、コンセプトは非常にシンプルです。

SaaSは「ソフトウェアをレンタルする」イメージ
SaaSは「Software as a Service」の略で、日本語に訳すと「サービスとしてのソフトウェア」となります。読み方は「サース」です。
これだけだと、まだピンとこないかもしれませんね。
一言でいうと、SaaSとは「インターネット経由で利用できるソフトウェア」のことです。もっと身近な言葉で例えるなら、「ソフトウェアをレンタルする」というイメージが一番近いでしょう。
昔は、会計ソフトやデザインソフトなどを使いたい場合、家電量販店などでCD-ROMの入った「パッケージソフト」を購入し、自分のパソコンにインストールして使うのが当たり前でした。これは「ソフトウェアを買い取る」モデルです。
一方、SaaSはソフトウェアを自分のパソコンにインストールする必要がありません。サービスを提供している会社のサーバーにソフトウェアが置いてあり、私たちはインターネットに接続して、Webブラウザや専用アプリからその機能を使うことができます。利用料金も、買い切りではなく月額制などの「サブスクリプション(定額課金)」がほとんどです。
もしSaaSがなかったら…?パッケージソフトとの違い
パッケージソフトとSaaSの違いを比較してみます。
- パッケージソフト(買い切り):一度購入すればずっと使えるが、高価な初期費用がかかる。バージョンアップのたびに買い替えが必要になることも。
- SaaS(レンタル/サブスク):初期費用は無料か安価。常に最新バージョンが使えるが、使い続ける限り月額・年額費用がかかる。
この手軽さが、SaaSが急速に普及した大きな理由の一つです。
なぜ今、SaaSが注目されているのか?
- 働き方の多様化:リモートワークや在宅勤務が普及し、場所を選ばずに仕事ができる環境が求められるように。SaaSはインターネットさえあればどこからでもアクセスできるため、この新しい働き方にぴったりなじみやすい。
- DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進:多くの企業が業務効率化や生産性向上のためにデジタル技術の活用を進めている。SaaSは専門知識がなくても導入しやすいため、DXの第一歩として選ばれやすい。
- クラウド技術の進化:高速なインターネット回線が普及し、セキュリティ技術も向上したことで、誰もが安心してクラウドサービスを利用できるようになったことも大きな要因。
このように、SaaSは現代のビジネス環境の変化に非常にマッチしたサービス形態なのです。
SaaSだけじゃない!PaaS・IaaSとの違い
SaaSの話をすると、必ずと言っていいほど「PaaS(パース)」や「IaaS(イアース)」という言葉が出てきます。これらもクラウドサービスの一種ですが、提供されるサービスの範囲が異なります。
ここで混乱してしまう方も多いので、料理に例えてそれぞれの違いを見ていきましょう。
SaaS (Software as a Service)
SaaSは、完成品の料理が出てくる「レストラン」
ソフトウェアそのものが提供され、ユーザーはすぐに利用できます。料理(ソフトウェア)を作る手間は一切ありません。

PaaS (Platform as a Service)
PaaSは、キッチンや調理器具が揃った「レンタルキッチン」
ソフトウェアを開発するための環境(プラットフォーム)が提供されます。キッチン(環境)を借りて、自分で好きな料理(ソフトウェア)を作ることができます。

IaaS (Infrastructure as a Service)
IaaSはキッチンも建物もない、土地や水道・ガスが引かれた「更地」
サーバーやネットワークといったITインフラ(基盤)が提供されます。土地(インフラ)を借りて、畑を耕すところから自分で好きな作物(システム)を育てることができます。

つまり、SaaSが最も手軽で一般的なユーザー向け、PaaSやIaaSはより専門的な開発者向けのサービス、と覚えておくと良いでしょう。
SaaSを導入するメリット・デメリット
手軽で便利なSaaSですが、もちろん良い面ばかりではありません。ここで、SaaS導入のメリットとデメリットを整理しておきましょう。
企業がSaaSを導入する5つのメリット
SaaSのメリット挙げてみましょう。
- 初期費用を抑えられる
パッケージソフトのように高額なライセンス費用がかからず、月額数千円から始められるサービスも多いため、導入のハードルが非常に低い。 - 導入・運用が簡単
アカウントを登録すればすぐに利用開始できる。サーバーの管理やアップデート作業はすべてサービス提供会社が行うため、社内に専門知識を持つ担当者がいなくても安心。 - 場所やデバイスを選ばない
インターネット環境さえあれば、会社のPC、自宅のPC、スマートフォンなど、様々なデバイスから同じデータにアクセスできる。 - 常に最新バージョンが利用できる
機能の改善やセキュリティ対策は自動でアップデートされる。ユーザーは常に最新かつ安全な状態でサービスを利用できる。 - 複数人でのデータ共有・共同編集が容易
クラウド上でデータを一元管理するため、チーム内での情報共有がスムーズになる。一つのファイルを複数人で同時に編集することも可能。
知っておきたい3つのデメリット
メリットだらけのSaaSに思いますが、デメリットはあります。
- カスタマイズ性に制限がある
提供された機能の範囲で利用するのが基本のため、自社の業務に合わせて細かくカスタマイズすることは難しい場合がある。 - インターネット環境が必須
オフライン環境では利用できない、または機能が著しく制限されるサービスがほとんど。 - 継続的なコスト(ランニングコスト)がかかる
利用を続ける限り、月額や年額の費用が発生する。長期的に見ると、買い切り型のソフトより総額が高くなる可能性もある。
SaaSのメリット・デメリットを理解した上で、自社の課題や目的に合ったSaaSを選ぶことが重要です。
【分野別】身近にある代表的なSaaSサービス例
「SaaSの理屈はわかったけど、具体的にどんなサービスがあるの?」と感じている方も多いでしょう。実は、あなたが普段何気なく使っているサービスもSaaSかもしれません。ここでは代表的なSaaSサービスを分野別に紹介します。
分野 | 代表的なサービス例 | 簡単な説明 |
---|---|---|
ビジネスチャット | Slack, Microsoft Teams, Chatwork | メールより手軽なコミュニケーションを実現するツール。 |
Web会議システム | Zoom, Google Meet | オンラインでのビデオ通話や会議を可能にするツール。 |
クラウドストレージ | Google Drive, Dropbox, OneDrive | インターネット上にファイルを保管し、共有できるサービス。 |
SFA/CRM | Salesforce, HubSpot, SATORI | 営業活動の支援(SFA)や顧客情報の管理(CRM)を行うツール。 |
会計ソフト | freee, マネーフォワード クラウド | 請求書発行や経費精算、確定申告などを効率化するツール。 |
グループウェア | Google Workspace, Microsoft 365 | メール、カレンダー、ドキュメント作成など複数の機能を統合したツール。 |
聞き馴染みがあるのは「Zoom」「Microsoft 365」などでしょうか。
この他にも、プロジェクト管理ツールや人事労務管理ツールなど、ビジネスのあらゆる場面でSaaSは活用されています。
SaaSに関するよくある質問
- SaaSとは具体的にどういう意味ですか?
-
SaaS(サース)とは、インターネットを通じて利用できるソフトウェアのことです。従来のようにパソコンにソフトをインストールする必要がなく、Webブラウザやアプリから利用します。月額や年額の利用料を支払う「サブスクリプション」形式が一般的で、常に最新の機能が使える点が特徴です。
- SaaSを導入すると、どんなメリットがありますか?
-
主なメリットは、導入コストが低いことと、場所を選ばずに使えることです。高価なソフトウェアを買い切る必要がなく、初期費用を抑えて始められます。また、インターネット環境があればどこでもアクセスできるため、リモートワークや出張先でも業務ができます。常に最新の機能が提供される点も大きなメリットです。
- 個人事業主でも使えるおすすめのSaaSはありますか?
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個人事業主におすすめのSaaSは、経理・会計、顧客管理(CRM)、プロジェクト管理、オンライン会議など、様々な業務向けのSaaSがあります。例えば、会計ソフトでは「freee」や「MFクラウド」、顧客管理ツールでは「HubSpot」などが有名です。無料プランやトライアル期間があるサービスも多いので、まずは試しに使ってみることをおすすめします。
- SaaSを導入すると、どんなメリットがありますか?
-
主なメリットは、導入コストが低いことと、場所を選ばずに使えることです。高価なソフトウェアを買い切る必要がなく、初期費用を抑えて始められます。また、インターネット環境があればどこでもアクセスできるため、リモートワークや出張先でも業務ができます。常に最新の機能が提供される点も大きなメリットです。
- 業務を効率化するためのSaaSの選び方を教えてください。
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まずは「どんな課題があるのか」「どんな業務を効率化したいか」を具体的に考えましょう。次に、その課題を解決できるSaaSをいくつかピックアップし、無料トライアルを利用して使い勝手を比較します。個人事業主であれば、料金体系がシンプルか、カスタマーサポートが充実しているかも重要なチェックポイントです。
- SaaSと買い切り型のソフトウェアは、どちらがお得ですか?
-
一般的に、初期費用を抑えたいならSaaS、長期的に同じ機能を使い続けたいなら買い切り型がお得な場合があります。SaaSは月額費用がかかりますが、買い切り型のような高額な初期投資は不要です。また、バージョンアップ費用もかからないため、トータルコストで考えるとSaaSの方が割安になるケースも少なくありません。
まとめ
今回は、今さら聞けない「SaaSとは」というテーマについて、初心者の方にも分かりやすく解説しました。
最後に、この記事の重要なポイントを振り返ってみましょう。
- SaaSとは「インターネット経由で利用できるソフトウェア」のこと。
- 買い切りではなく、月額制などの「レンタル(サブスク)」が基本。
- 導入が簡単で、場所を選ばず、常に最新の機能を使えるといったメリットがある。
- 一方で、カスタマイズ性に制限があり、継続的なコストがかかるなどのデメリットも存在する。
- ビジネスチャットやクラウドストレージなど、私たちの身近なところで既に多く活用されている。
SaaSは、もはや一部のIT企業だけのものではありません。業種を問わず、あらゆるビジネスの課題を解決し、業務を効率化するための強力なパートナーです。
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