オリジナルのURLとメールアドレスが導入できる!独自ドメインについて解説

こんにちは。グレープフルーツ編集部です。
「ホームページを無料作成サービスで作ったことが、URLですぐ分かってしまう」
「名刺交換のとき、メールアドレスがGmailだと少し格好がつかない気がする…」
個人事業主の方や企業のWeb担当者様なら、一度はこんな風に感じたことがあるのではないでしょうか。ビジネスを成長させていく上で、お客様からの信頼は欠かせません。
その信頼を形作る重要な要素の一つが、今回テーマとして取り上げる「独自ドメイン」です。

もしかしたら、「ドメイン」という言葉自体は聞いたことがあっても、その本当の価値やビジネスに与える影響については、詳しくご存じないかもしれません。無料のブログサービスやフリーメールは手軽で便利ですが、実は知らず知らずのうちに大きなビジネスチャンスを逃している可能性もあるのです。
この記事では、
- そもそも独自ドメインって何?無料のものと何が違うの?
- なぜビジネスに独自ドメインが必要不可欠と言われるの?
- 自社にぴったりのオリジナルなドメイン名はどうやって考えればいい?
- ドメインを取得して、実際に使えるようにするまでの具体的な手順
- 独自ドメイン運用の注意点
といった、独自ドメインに関するあらゆる疑問を解消していきます。この記事を読み終える頃には、独自ドメインの重要性をしっかり理解できます!
そもそも独自ドメインとは?基本を徹底解説
まずは基本から押さえていきましょう。
「ドメイン」とは、ひとことで言えばインターネット上の住所のことです。Webサイトが「家」だとすると、ドメインはその家がどこにあるかを示す「住所」の役割を果たします。
たとえば、当サイトのURLは「https://grafru.jp/」ですが、この中の「grafru.jp」の部分がドメインにあたります。このドメインがあるからこそ、世界中の人々が迷わずにWebサイトにたどり着けるのです。
ドメインには大きく分けて「独自ドメイン」と「無料ドメイン」があります。
- 〇〇〇〇.wixsite.com(Wix 無料プラン)
- 〇〇〇〇.jimdofree.com(Jimdo 無料プラン)
- 〇〇〇〇@yahoo.co.jp(Yahoo!メール)
- 〇〇〇〇@gmail.com(Gmail)
「〇〇〇〇」の部分は会社名や名前、好きな文字列などが入ります。
こうした無料ドメインは、提供会社のドメインを間借りして利用しているため、同じサービスを使っている他のユーザーと似たアドレスになります。
一方で、年間(または月間)の費用を支払って、自分(自社)だけが使えるオリジナルの文字列のドメインを独自ドメインと呼びます。
たとえば「grafru.jp」のように、オリジナルのドメインを持つことで、信頼性やブランド力の向上につながります。
独自ドメインと共有ドメイン(無料ドメイン)の決定的な違い
独自ドメインの価値を理解するために、よく比較されるのが「共有ドメイン(無料ドメイン)」です。これは、無料ブログサービスなどで提供されるドメインのことで、一つの大きなドメインを複数のユーザーで共有して使います。
具体的に、両者にはどのような違いがあるのでしょうか。表にまとめてみました。
比較項目 | 独自ドメイン(例:自社名.com) | 共有ドメイン(例:自社名.example.jp) |
---|---|---|
URLの見た目 | 短く、オリジナルで覚えやすい | 長く、サービス名が入るため覚えにくい |
メールアドレス | info@自社名.com のようにオリジナルで作れる | 作成できない(別途フリーメールなどが必要) |
所有権 | 自分(自社)のものになる資産 | サービス提供会社のもの(規約変更・サービス終了のリスクあり) |
信頼性・ブランディング | 非常に高い。プロフェッショナルな印象を与える | 低い。個人・趣味の印象が強い |
SEO(検索エンジン最適化) | 有利。サイトの評価がドメインに蓄積される | 不利。サービスのドメインパワーに依存し、個別の評価が蓄積されにくい |
広告の表示 | 自由にコントロールできる(非表示も可能) | 意図しない広告が自動で表示されることが多い |
費用 | 有料(年間1,000円~数千円程度) | 無料 |
こうして比較してみると、その違いは一目瞭然です。
共有ドメインが「賃貸マンションの一室」だとすれば、独自ドメインは「自分で建てた一戸建て」に例えられます。内外装を自由にデザインでき、住所も自分だけのもの。そして何より「資産」となるのです。
なぜビジネスに「オリジナル」のドメインが不可欠なのか?5つのメリット
「違いはわかったけど、それでも無料の方がいいのでは?」と感じる方もいるかもしれません。しかし、ビジネスという観点で見ると、独自ドメインにはコストをはるかに上回る計り知れないメリットが存在します。
ここでは、特に重要な5つのメリットをご紹介します。
- 社会的信用の獲得
ビジネスにおいて、信用は何よりも大切です。URLやメールアドレスに会社名が入った独自ドメインを使用しているだけで、取引先や顧客に「しっかりとした組織である」という安心感とプロフェッショナルな印象を与えることができます。 - ブランディング効果の向上
「〇〇といえば、△△.com」というように、短く覚えやすい独自ドメインは、それ自体が強力な広告塔になります。顧客の記憶に残りやすくなり、ブランドイメージの確立に大きく貢献します。 - SEO(検索エンジン最適化)で有利になる
Webサイトへの集客を考える上で、Googleなどの検索エンジンで上位に表示されることは極めて重要です。独自ドメインでWebサイトを長く運営していくと、サイトの評価(ドメインパワー)がそのドメイン自体に蓄積されていきます。これはSEOにおいて非常に有利に働き、将来的に安定したアクセス流入を見込めるようになります。 - 永続的に使える「Web上の資産」になる
独自ドメインは、契約者自身が所有権を持つため、サーバーを乗り換えても同じURLとメールアドレスを永続的に使い続けることができます。これは、ビジネスの基盤となる非常に重要なポイントです。 - オリジナルのメールアドレスが作成できる
「info@自社ドメイン.com」や「suzuki@自社ドメイン.com」といった、オリジナルのメールアドレスを必要な数だけ作成できるのも、独自ドメインの大きなメリットです。用途(営業用、サポート用など)や従業員ごとにアドレスを使い分けることで、業務効率が向上し、顧客からの信頼もさらに高まります。
プロバイダーメールに依存するのは要注意
メールアドレスに関して、事業用メールを契約中のインターネットプロバイダーのメールアドレス(例:taro.yamada@nifty.com、 taro.yamada@ocn.ne.jpなど)で済ませてしまう方も少なくありません。一見すると「メールなんて送受信できれば何でもいい」と思いがちですが、実は注意すべき点があります。
なぜなら、プロバイダーを解約すると、そのメールアドレスは使えなくなってしまうからです。
もしそのアドレスをクライアントとのやり取りや各種Webサービスの登録に使っていた場合、アドレス変更の連絡や登録情報の更新を一つひとつ行わなければならず、大きな手間が発生します。場合によっては、連絡が途絶えてしまうリスクもあります。
このようなトラブルを避けるためには、独自ドメインのメールアドレスを利用するのが安心です。独自ドメインであれば、プロバイダーやサーバーを切り替えてもアドレスは変わらず、長期的に安定して使い続けられます。
年間数千円程度のコストで得られる「変わらない連絡手段」という安心感は、ビジネスにとって非常に大きな価値となります。
失敗しない!ビジネスを象徴する独自ドメインの選び方
独自ドメインの重要性をご理解いただけたところで、いよいよ実践編です。ここでは、失敗しないドメイン名の決め方のコツを、初心者の方にも分かりやすく解説していきます。
【ブランディングの第一歩】記憶に残り、ビジネスを象徴するドメイン名の決め方
ドメイン名は、一度決めたら後から変更することができません(正確には変更できますが、SEO評価がリセットされるなどデメリットが大きすぎます)。慎重に、そして戦略的に決める必要があります。
以下のポイントを参考に、ご自身にぴったりのドメイン名を考えてみてください。
- 【基本】短く、シンプルで、覚えやすい
最も重要なポイントです。口頭で伝えやすく、誰もが聞き間違えることなく入力できるような名前が理想です。例えば「art-creative-design-studio.com」よりも「acds.com」の方がわかりやすいです。 - 【推奨】ビジネス内容やブランド名を含める
会社名、店舗名、サービス名などをそのままドメインにするのが王道です。例えば、花屋の「山田フラワー」なら「yamada-flower.com」のように、事業内容がURLから推測できると、ユーザーに安心感を与えます。 - 【テクニック】読みやすいキーワードを組み合わせる
もし会社名が一般的すぎたり、すでに取得されていたりする場合は、「地域名+サービス名」や「特徴+サービス名」といった組み合わせも有効です。例:「okayama-biyoushitsu.jp」(岡山 美容室)、「yasashii-gohan.com」(やさしい ごはん)など。 - 【注意】ハイフン(-)と数字の使用は慎重に
ハイフンは単語の区切りを明確にするメリットがありますが、多用するとスパムっぽく見えたり、口頭で伝えにくくなったりします。数字も同様に、聞き間違いの原因になりやすい(例:「1」と「ichi」など)ため、避けるのが無難です。ハイフンは1つまでが許容範囲でしょう。 - 【必須】商標権を侵害していないか確認する
他社の登録商標と同じ、あるいは酷似したドメイン名を取得・使用すると、後々トラブルに発展する可能性があります。ドメイン名を決める前に、特許情報プラットフォーム「J-PlatPat」などで簡易的にでも確認しておくことを強くお勧めします。
ドメインの末尾(TLD)は何を選べばいい?
ドメイン名の本体と同じくらい重要なのが、「.com」や「.jp」といった末尾の部分です。これをTLD(トップレベルドメイン)と呼びます。それぞれに特徴があり、どれを選ぶかによって与える印象も変わってきます。

TLDの種類 | 特徴と推奨用途 | 信頼性 | 年額費用の目安 |
---|---|---|---|
.com | 世界中で最も普及している最もポピュラーなTLD。「commercial」の略。迷ったらまずコレ。 | 非常に高い | 約1,500円~ |
.net | 「network」の略。IT系やネットワーク関連のサービスに適している。 | 高い | 約1,800円~ |
.jp | 日本に住所があれば個人・法人問わず登録可能。日本国内向けのビジネスに最適。 | 非常に高い | 約3,000円~ |
.co.jp | 日本で登記している企業のみが登録できる。1法人につき1つまで。最も信頼性が高い。 | 最高レベル | 約4,000円~ |
.biz / .info | 「business」「information」の略。ビジネス用途や情報サイト向け。 | 普通 | 約2,000円~ |
.tokyo / .okinawa | 地域名TLD。特定の地域に根ざしたビジネス(飲食店、実店舗など)で効果を発揮する。 | 普通 | 約1,000円~ |
グローバルな展開も視野に入れるなら「.com」、日本国内での信頼性を最優先するなら「.jp」、そして法人であれば「.co.jp」が取得可能かまず検討するなど、ビジネスの方向性によって決めると良いでしょう。
独自ドメインの取得方法と初期設定
自社にぴったりのドメイン名を決めたら、ドメインを取得する手続きが必要です。
3つのステップに分けて解説していきます。
STEP1:ドメイン取得サービスを選ぶ
独自ドメインは、「ドメイン取得サービス」や「レジストラ」と呼ばれる専門の事業者から申し込みます。これは、総務省や国際的な組織(JPRSなど)から認定を受けた、いわば「ドメインの公式窓口」のような会社です。
世の中にはたくさんのドメイン取得サービスがありますが、特に多くの人が利用していて信頼性が高いのは以下のサービスです。それぞれに特徴があるので、ご自身の状況に合わせて選んでみてください。
代表的なドメイン取得サービスをピックアップしました。
エックスサーバードメイン

レンタルサーバーで有名なエックスサーバーのサービス。サーバーとセットで申し込むとお得なキャンペーンをよく実施している。
運営はエックスサーバー株式会社。
お名前.com

国内最大手で実績豊富。取り扱いドメインの種類が多く、タイムセールを行なっているので、タイミングが合えば人気ドメインを安く取得できることも。
運営はGMOインターネット株式会社。
ムームードメイン

同社のレンタルサーバー「ロリポップ!」との連携がスムーズ。
運営はGMOペパボ株式会社。
さくらのドメイン

インターネット黎明期から続く老舗のサービス。法人利用も多く、安定感と信頼性を重視する方にぴったり。
運営はさくらインターネット株式会社。
バリュードメイン

リーズナブルな価格が特長。ビットコインなどの暗号通貨を送金する際に暗号アドレスとしても利用できるNFTドメインも提供されている。
運営はGMOデジロック株式会社。
※上記は代表的なサービスの一例です。ドメインの価格は種類(.com, .co.jpなど)や各社のキャンペーンによって常に変動します。必ず公式サイトで最新の価格をご確認ください。
STEP2:サイト上でドメインの申請手続きを行う
利用したいサービスを決めたら、そのサイトにアクセスして申請手続きに進みます。どのサービスでも、流れはほとんど同じ。驚くほどシンプルです。
- 希望のドメイン名が使えるか検索する
ドメインサービスにアクセスし、自身で考えたドメイン名(例: my-original-shop)を入力します。すると、「.com」は取得可能、「.jp」は誰かに使われています…といった結果が一覧で表示されます。もし第一候補が埋まっていた場合もがっかりせず、ハイフンを入れてみたり、別の単語を試したりしてみましょう。 - 申込者情報と支払い情報を入力する
無事に取得できるドメインを見つけたら、申し込みボタンを押し、自身の情報を入力します。そして、クレジットカード情報などの決済情報を登録します。 - 契約を完了し、更新設定を確認する
最後に契約年数(通常は1年ごと)を選んで決済をすれば、独自ドメインが誕生します。手続き自体はこれで完了です。
「自動更新設定」をオンにしておきましょう。うっかり1年後の更新を忘れてドメインが失効してしまうことがあります。
STEP3:取得後に必要な「DNS設定」(ドメインとサーバーの紐付け)
独自ドメインを取得しただけでは、まだWebサイトを表示したり、メールを使ったりすることはできません。例えるなら、「住所(ドメイン)」を手に入れただけの状態です。次に、Webサイトのデータを置いておく「土地(サーバー)」を借りて、その住所と土地を結びつける作業が必要になります。
この結びつけ作業のことを、専門用語で「DNS(Domain Name System)サーバーの設定」と呼びます。
少しだけ仕組みをお話しすると、本来、Webサーバーは「153.126.149.50」のような数字の羅列(IPアドレス)で識別されています。人間には覚えにくいこの数字の住所と、私たちが使う「example.com」のような分かりやすいドメイン名を変換してくれるのがDNSの役割です。
このDNS設定は、ドメインを取得したサービスの管理画面で行います。
【見落としがち】ドメインのセキュリティと管理の注意点
独自ドメインは重要なビジネス資産です。その資産を安全に守るための、見落としがちな注意点をまとめました。
Whois情報公開代行は必ず設定する
ドメインを登録する際に入力した氏名・住所・電話番号などの個人情報は、「Whois情報」として世界中に公開することが義務付けられています。これを悪用され、スパムメールや営業電話が殺到するケースが後を絶ちません。
このリスクを避けるため、ドメイン取得サービスが提供している「Whois情報代理公開」を必ず利用しましょう。これは、あなたの個人情報の代わりに、ドメイン取得会社の情報を公開してくれるサービスで、ほとんどの場合無料で利用できます。プライバシー保護の観点から、これは必須の設定です。
なお、「.co.jp」「.or.jp」などの属性型jpドメインは原則としてドメイン契約会社の情報が公開されます。
ドメインの更新忘れは事業の死活問題
ドメインには有効期限があり、期限が切れる前に更新手続きが必要です。もしこの更新を忘れてしまうと、Webサイトが表示されなくなり、メールも送受信できなくなります。さらに、期限切れのドメインは「有効期限切れドロップキャッチ」を狙う第三者に取得されてしまう可能性があり、最悪の場合、取り戻せなくなることも。
このような悲劇を防ぐため、ドメインの「自動更新設定」を必ず有効にしておきましょう。また、登録しているクレジットカードの有効期限にも注意が必要です。
独自ドメインは、ビジネスの「顔」であり「資産」
今回は、ビジネスにおける「独自ドメイン」の重要性から、具体的な取得方法などを解説してきました。
今回のまとめとしては
- 独自ドメインは、ビジネスの信頼性と専門性を証明する「インターネット上の住所」のこと。
- 短く覚えやすいオリジナルなURLや、オリジナルのメールアドレスは、強力なブランディングツールになる。
- ドメインに蓄積されるSEO評価は、永続的なWeb資産となる。
- ドメイン名は「短く、シンプルで、事業内容がわかる」ものを、TLDは「.com」や「.jp」などを目的に合わせて選ぶのが基本。
- 取得後は、サーバーとの紐付け、Whois情報公開代行、自動更新設定、SSL化を忘れずに行うことが重要。
無料サービスが溢れる現代だからこそ、あえて年間数千円のコストをかけて独自ドメインを取得・運用することは、あなたのビジネスに対する「本気度」の現れでもあります。それは、ユーザーや取引先に安心感を与え、長期的な信頼関係を築くためのベースとなります。
この記事が、あなたのビジネスを一歩前に進めるきっかけになれば嬉しいです。
まずは「自分のビジネスを象徴するドメイン名」を考えるところから始めてみましょう。
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